京都では時間が許す限り数えきれないほどお寺に行きました。中でも京都北区にある紫野は私が気に入っている場所です。現在、雲林院は大徳寺の塔頭ですが雲林院がある場所はかつて淳和天皇の離宮でした。ここでは狩猟がおこなわれ春は桜、秋は紅葉の名所として天皇も行幸された由緒ある場所でもあったのです。また源氏物語の作者紫式部のゆかりのお寺としても知られ、源氏物語でも「賢木」の巻で雲林院の名が記されています。紫式部のお墓(伝承)が紫野にあり、現在、紫式部のお墓がある場所はかつてお寺の境内だったそうですから当時のお寺の領地がどれだけ広かったかわかるのではないでしょうか。雲林院は歌人に愛されたお寺らしく境内には西行の歌を記した立札もありました。また、百人一首の歌で誰もが一度は耳にしたことがある(下の句)僧正遍生が詠んだ「天つ風雲の通い路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ」の石碑を前にして私は当時の広大な姿を思い浮かべながらしばしたたずんでいました。
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